radio
飛行機から光る街がみえた。
あっというまに東京についてしまう。
となりのおじさんに気づかれないように、窓の外を覗くふりをして泣いた。
東京に出て来てすぐ出会ったお姉ちゃんのようなひとに、
もえちゃんほんと一人暮らし向いてないよねってわらわれた。
わたしもそうおもうってわらった。
わたしのことをわかったふうな口ぶりが、なぜかとてもうれしかった。
家を出たとき、まるで想像していなかった。
もう二度と、だれかと暮らすことはないということ。
じぶんの日常がだれかのものにならないということ。
かなしいことがあると、ゆめへのおもいがつよくなる。
叶えれば、なりたいわたしになれば、なんにもかなしくなくなるから、ぜんぶだいじょうぶになるから。
そのときいまそばにいたいとおもえるひとたちが、まだそばにいてくれてたら、しあわせだなとおもう。
きょうはとてもさむい。
さむいと美しくみえるからすき。
冬が長くてよかった。